「親知らずが痛むけれど、抜いたほうがいいのだろうか」「口を開けると顎が鳴る、大きく開かない」「口内炎が2週間経っても治らない」――こうした症状は、むし歯や歯周病とは別の口腔外科という領域が担当します。
口腔外科というと大学病院を思い浮かべる方が多いのですが、その多くはかかりつけの歯科医院で対応できます。逆に、専門的な設備や入院管理が必要なケースもあり、その判断こそが最初の診察の役割です。
この記事では、港区・高輪で口腔外科に対応している歯科医師の立場から、当院で診ている症状、受診すべきかどうかの目安、実際の診療の流れをご説明します。
口腔外科ではどんな症状を診るのか
口腔外科は、お口とその周囲に起こる病気やケガのうち、外科的な処置や専門的な診断が必要なものを扱う領域です。当院では次のような症状に対応しています。
| 対応する症状 | こんなときにご相談ください |
|---|---|
| 親知らず(埋伏歯) | 奥が腫れる・痛む、歯みがきがしにくい、横向きに生えていると言われた |
| 顎関節症 | 口を開けると音がする、大きく開かない、顎が痛い、朝起きると顎がだるい |
| 口腔内粘膜疾患(口内炎) | 同じ場所に繰り返しできる、2週間以上治らない、しみて食事がつらい |
| 舌痛症 | 見た目に異常はないのに舌がヒリヒリする、灼けるような感じが続く |
| 良性腫瘍 | 歯ぐきや頬の内側にできものがある、だんだん大きくなってきた |
| 外傷 | 転倒やスポーツで歯を打った・折れた・唇や舌を切った |
2週間以上治らない口内炎は、一度診せてください。通常の口内炎は1〜2週間で治ります。それを超えて残るもの、同じ場所に繰り返しできるもの、硬いしこりを伴うものは、別の原因が隠れていることがあります。自己判断で市販薬を使い続けず、状態を確認することが大切です。
親知らずは抜いたほうがいいのか
最も多いご質問です。答えは「生え方と、周りへの影響しだい」です。
すぐに抜く必要がない場合
親知らずが正しい位置にまっすぐ生えていて、噛み合わせに影響もないようであれば、すぐに抜く必要はありません。上下がきちんと噛み合っていて、歯みがきも届いているなら、そのまま噛む歯として機能します。
将来、手前の歯を失ったときに、親知らずが土台として使える場合もあります。「親知らずだから抜く」ではなく、残す価値があるかどうかを個別に判断します。
抜歯を検討したほうがよい場合
腫れや痛みを繰り返している/親知らずの周りの歯ぐきが炎症を起こしている
横向き・斜めに生えていて、手前の歯を押している/手前の歯との間に汚れがたまり、むし歯や歯周病の原因になっている
上下のどちらかしか生えておらず、噛み合う相手がいない/頬の内側や歯ぐきを噛んでしまう
抜歯を検討する場合は、歯科用3D CTで根の形と周囲の神経・血管の位置を確認したうえで方針を決めます。下顎の親知らずは、根の先が下歯槽神経に近接していることがあり、平面のレントゲンだけでは位置関係を正確に把握できないためです。
抜歯に伴う主な注意点
親知らずの抜歯後は、腫れ・痛み・口が開けにくい状態が数日続くことがあります。個人差はありますが、腫れは2〜3日目にピークを迎え、その後徐々に引いていくのが一般的な経過です。
そのほか、抜いた穴の血のかたまりが取れて強く痛むことがある(ドライソケット)、下顎の親知らずでは神経に近い場合に一時的なしびれが生じることがある、といった注意点があります。事前のCT診断でリスクを把握し、当日の説明と術後のケアでご不安が残らないようにお伝えします。大切なご予定の直前は避け、翌日以降に余裕がある日程をおすすめしています。
なお、根の位置や全身の状態によっては、より適した設備・管理体制のもとで処置を受けていただくほうがよい場合があります。その判断も含めて、まず画像を含む診査を行います。
顎が鳴る・口が開かない(顎関節症)
顎関節症は、次の3つの症状のいずれかが現れるのが特徴です。
顎が痛む
口を開けるとき、食べ物を噛むときに、耳の前あたりが痛む。
音が鳴る
口を開閉すると「カクッ」「ジャリジャリ」といった音がする。音だけで痛みがなければ、経過を見る場合もあります。
口が大きく開かない
指を縦に3本入れられないほど開口が制限される。食事や歯みがきに支障が出ている場合は、早めの受診をおすすめします。
顎関節症の背景には、噛み合わせ、日中の食いしばり、就寝中の歯ぎしり、頬づえなどの生活習慣、ストレスなど複数の要因が重なっていることが多く、原因を一つに決められないことがほとんどです。
当院は補綴(被せ物・噛み合わせ)を専門的に扱ってきた医院です。顎の症状を、噛み合わせという視点も含めて確認できることが、口腔外科と補綴の両方を院内で診る利点だと考えています。
対応は、症状の内容と背景にある要因によって変わります。何が負担になっているかを確認したうえで、その方に合う進め方をご提案します。まずは現在の状態を診せてください。
港区・高輪で口腔外科の受診先を探している方へ
歯科用3D CTで診てから方針を決める
親知らずの根の形、神経との位置関係、顎の骨の状態を立体的に確認できます。「抜けるか抜けないか」を推測ではなく画像で判断します。
抜いた後まで同じ医院で診られる
抜歯後の経過観察はもちろん、抜いたことで生じる噛み合わせの変化や、隣の歯のむし歯・歯周病まで、かかりつけとして続けて確認できます。
完全個室のオペ室・泉岳寺駅から徒歩2分
親知らずの抜歯などの外科処置は、衛生管理を徹底した完全個室のオペ室(特別診療室)で行います。通常の診療室はチェアごとに仕切られた半個室です。腫れが出る処置の前後は、通いやすさも重要になります。
親知らずの抜歯、顎関節症の診査、口内炎などの粘膜の診察は、健康保険が適用される範囲で行えるものが中心です。処置の内容によって費用は変わりますので、診察時に見通しをご説明します。
よくあるご質問
著者・監修者情報
ヨネデンタルオフィス高輪 院長
米今 一晃(よねいま かずあき)
昭和大学歯学部卒業後、昭和大学歯科補綴学講座に入局。補綴(被せ物・噛み合わせ)を専門的に学び、外科処置から上部構造の設計・噛み合わせの調整まで一貫して担当しています。
- 2014年 昭和大学歯学部 卒業
- 昭和大学歯科補綴学講座 入局
- 2018年 三條歯科 勤務
- 2022年 ヨネデンタルオフィス高輪 開院
- 日本口腔インプラント学会 所属 / 日本顎咬合学会 所属
本記事は、ヨネデンタルオフィス高輪・院長 米今一晃の監修のもと作成しています。記載内容は一般的な説明であり、実際の診断・処置の内容は症状や画像所見によって異なります。治療方針は診察のうえ個別にご説明します。
親知らず・顎の症状のご相談を承っています
「抜くかどうか決める前に、状態だけ知りたい」で構いません。
CTを含む診査のうえ、選択肢をご説明します。
お電話でのご予約・ご相談
・抜歯後の経過までかかりつけとして確認
・歯科用3D CTによる精密診断
・外科処置は完全個室のオペ室で対応


